ブタメガネ「それでも今日を生きている」

太っている男のブログ。デブ嫌いはそっ閉じ願います。

どんまいライライBOY

空虚な自由が終わりを告げた。
俺は今、わりと「ふつう」に生きている。

先日までの自分を振り返るとまるで少年のようであったと感じる。
もちろん良い意味ではないし、突然の圧倒的成長によって大人になったわけでもない。
体重だって少し減ったもののまだしっかりと三桁の大台に乗っている。
何も変わっていないと言えば何も変わっていない。

なのに。
なぜかそう感じるのだ。

俺は、まだ。
あの時と同じ笑顔で笑えるのか。
あの時感じた口にした白米の旨さを今も感じているのか。
内臓の隙間を埋めるように詰め込んだ食物の重さに幸せを感じているのか。

埋没し溶けて消える。
もともとそれほど特別なモノではなかったのに寂しさを感じる。
でも、それはそれで満足だ。

どんまいライライBOY。
笑顔のほうがイーアル。

食べ放題物語 ~暗い海底から攫われてきた魚

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photo credit: bass_nroll via photopin cc


ちょっとよくわからなかった。
食感や匂いは確かに刺身風だったけど。
自信ない。

脂が悪い意味で強かった。もしかして脂いれちゃいました? そんな疑いを持つほどに脂脂脂。脂好きを自認する俺も怯む。
あと色。白い。とにかく白い。白身魚って意味じゃなくて。白い。初めてみたよそんな色。

初めてと言えば他にもあって。形。お刺身の形。お刺身といったらイメージする形があると思うんですけで「たぶんそのどれにも被らないだろうなぁ」って形に切り分けられてたのも新鮮だった。
なんかね。15cmくらいの紐状のお刺身とかあるの。
そろえて切ろうって気持ちゼロ。
気の向くまま、包丁の向くまま、切りました。
山盛りにされたふぞろいなお刺身たちがそう主張していた。

ここはどこだ。
俺は誰だ。
突然の自失。

山盛りの生魚。お刺身。
清掃が行き届いているとは言い難い店内。
そこに流れる謎のラジオ番組。
説明なく15分遅れた開店時間。
開店から不機嫌さの頂点にいる店員。
その店員の口から漏れた舌打ち。
鮮度。技術。仕事。感謝。言葉。感情。対価。前払。衝突。無視。軽蔑。混雑。遠い海からきた鮪。混乱。怒声。テーブルの染み。悪態。醤油。暗い海底から攫われてきた魚。生卵。汚れた氷。命。塩分。包丁。ビニールの手袋。異国の言葉。白身。青身。赤身。相席。油とヤニで汚れた襖。プラスチックの皿。漬物。二度目の生卵? 驚愕。感嘆。衰えていることを実感。寂寥。
剥げた頭にビニールキャップを被った厨房のおじさん。
茶髪をなびかせながら思いのままに魚を切り刻む厨房のお兄ちゃん。

再びの混乱。思考。停止。咀嚼。
味噌汁の中の閉じたままのシジミ。

相席したカップルの男の子が彼女に囁く。
「何食ってるかわからないけどおいしいね」

断続的な情報で溢れ返る脳内がその言葉で収束した。

自由。
そうだ。これは「荒野の自由」だ。
洗練とは遠く、そして合理的でもない。
当然、規範や規律もないのだ。
魚があり、それを切る者があり、空腹な俺がある。
これ以上、何が必要だと言うのだろうか。

いや醤油とわさびは必要だけど。

デブの地獄とダラス・バイヤーズ・クラブ

「デブの地獄」



いやマジで。
何処の地獄だよ。って思って調べたら『第三圏貪食者の地獄』っぽい。
怖ぇよ。

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海に来たら貝殻を拾え

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photo credit: angela7dreams via photopin cc

海に来たら貝殻を拾え。
彼は僕にそう言った。
貝殻は言わば貝の亡骸だ。失われた命の痕跡に美を見出すのだ、と。
しかし打ち上げられた藻屑を海に投げ返すことに夢中になっていたその時の僕にその言葉は届かなかった。

公園に来たらどんぐりを拾え。
彼はそうも言っていった。
帽子が付いているモノは10点。付いていないモノは3点だ。何気ない物の美しさに気が付く繊細さを育てろ。だが集め過ぎには注意しろ。良い大人は限度を知っている。5個で35点がベストだ。
5個で35点になる組み合わせを考え始めた僕の頭を彼の言葉は横滑りしていった。

野原に来たら蝶を追え。
これも彼の言葉だ。
追うことが重要だ。捕獲は目的ではない。注意しろ。ただただ蝶を追うこと自体が己に対する問いかけである。蝶を我が物にしたい欲望と蝶に自由であって欲しいという願い。矛盾を抱えるのだ。
彼がそう口にした野原は冬を迎えたばかりで、当然蝶の姿などなく、僕は僕でひっつき虫に夢中であったのでやはり彼の言葉は僕を素通りした。

いつだって彼の言葉は僕に届かなかった。
面白味も正体もなく無意味だった。
ただ、それがどうやら僕に向けられた助言であるらしいことは理解していた。
余計なお世話だった。

ある時、思い切ってその思いを彼に告げた。
彼はショックを受けた様子だった。
寂しげな笑いを浮かべ僕の前から姿を消し二度と戻らなかった。

それが彼と僕との間で交わされた交流の全てで、しかも僕はその記憶すら捨てた。

何年か後、知人たちと生牡蠣を食べに出かけた。
その内の1人が生牡蠣を手に取りなが「牡蠣を食べたことが会社に知られたとしたら私は会社を首になるでしょう」と嬉しそうに言った。
へぇ。そんなこともあるのか。
僕は感心しながら牡蠣殻を足元の一斗缶に放った。

貝の亡骸がカチャカチャと喧しく鳴った。

huluで『SUITS/スーツ』をシーズン2まで視聴した

huluで『SUITS/スーツ』をシーズン2まで視聴した。
結論から言うと、シーズン1に引き続きとても面白かった。

SUITS/スーツ トレーラー - YouTube
海外ドラマは吹替版で観たい方なのだけど僕が視聴を始めた時にはhuluに吹替版がなかったので字幕版でスタートしそのままシーズン2まで来てしまった。実はシーズン1の吹替版が配信開始された時に少し視聴してみたのだけどルイスの声が馴染まなくて止めた。最初から吹替版を観ていたのなら気にならなかったのかもしれないがルイスに違和感を感じるのはこのドラマ的には致命的なので仕方ない。

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でーでででー・でっでっで・でででで

「でーでででー・でっでっで・でーっで・でーでででー・でっでっで・でっでっ」

喧嘩上等

喧嘩上等

もう一ヶ月くらい前の話でしょうか。僕の知り合いの中で最も泥酔する知人がやはりその時も泥酔しながらカラオケで氣志團の「喧嘩上等」を歌ったことがありました。世間の流行に疎い僕はこのヤンチャでポップな流行歌の存在をその時初めて知ったのですが、Aメロが始まる前にはすでにこの曲の虜となっていました。ああ、こりゃあいいぞ。たまんねぇなあ、おい。

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映画「寄生獣」の予告編が公開されたことだしこれから公開予定の漫画原作の映画を調べてみた

※()内は現時点での公開予定。

寄生獣(Part1:2014/12、Part2:2015)

寄生獣(1) (アフタヌーンKC (26))

寄生獣(1) (アフタヌーンKC (26))


Twitterで映画「寄生獣」の配役が流れてきたのを見てそう思った。僕の世代は中学生の頃に寄生獣が流行っていて、それ程夢中にならなかった僕でも数回は通して読んだことがある作品だ。寄生された人々が醸し出す違和感や不気味さが実写映画でどうなるのかとても興味がある。
と思っていたらこのニュース。
映画『寄生獣』から捕食シーン&ミギー含む予告編公開、染谷将太や橋本愛の姿も - movieニュース : CINRA.NET
予告キター。

「寄生獣」予告 - YouTube
ミギー可愛い。期待大。

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